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出禁のモグラ10巻ネタバレ&感想
『出禁のモグラ』10巻では、ワンダーランド化した犬飼家を舞台に、少女霊フユミと幻術使い・銭の最終対決が描かれます。依存と幻想に縛られた“歪んだ家族”に、銭が放つ最後の幻術とは――? 本記事では、10巻のあらすじ・注目シーン・キャラの結末・SNSで話題の考察まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。ワンダーランド編、ついに完結。モグラたちの旅路の結末を一緒に振り返りましょう。
出禁のモグラ10巻ってどんな巻?ワンダーランド編の全体像をサクッと解説
出禁のモグラ第10巻は、物語の大きな転換点であり、長く続いた「ワンダーランド編」の完結巻です。物語の舞台は、現実と幻想が交錯する“犬飼家”という閉ざされた空間。この屋敷は、少女霊・フユミの強烈な想念によってワンダーランド化しており、そこに閉じ込められた主人公・銭たちが、フユミ一家の狂気に立ち向かう物語が描かれます。
10巻では、フユミが「家族」に固執する理由や、モグラたちがなぜこの空間に巻き込まれたのかが明らかになり、幻想の中で繰り広げられる精神的な対決に決着がつきます。幻想と呪いの構造がついに破綻するラストは、シリーズ全体の中でも特に濃密で、読者の心に残る巻です。
ここがポイント!10巻の見どころ・注目シーン5選
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銭が放つ“最後の幻術”
物語のクライマックスで、銭がフユミ一家に対抗して見せる幻術は、これまでの伏線が一気に回収される見応えある場面。何が現実で、何が虚構なのか、読者の認知までも揺さぶります。 -
フユミの“理想の家族”の崩壊
フユミは、死してなお家族に執着する少女霊。彼女の創った“幸せな家族ごっこ”が徐々に崩れていく様子は、どこか切なく、怖さと哀しさが混じり合います。 -
ワンダーランド化した犬飼家のビジュアル
背景や構図が非現実的で不気味かつ美しく、まるで夢の中のよう。まさに“視覚で読むホラー幻想”の真骨頂です。 -
モグラたちの内面描写
今回、主人公サイドもかなり精神的に追い詰められており、特に銭の内面に焦点が当たります。「何が正しい幻術なのか」という葛藤も見どころ。 -
最後の“あの一言”
ラストで銭が残す一言が、物語の余韻をぐっと引き締めます。感情を抑えた静かな台詞が、逆に読者の心に刺さる余韻を残す印象的なシーンです。
フユミと銭、それぞれの決着――歪んだ家族の終焉と幻術の意味
10巻では、物語の核となる2人、少女霊フユミと幻術使いの銭が、それぞれの“理想”と“執着”に決着をつける回でもあります。
フユミは、かつて家族から受けた冷遇や心の傷を抱えたまま亡くなった少女。その未練が呪いとなり、彼女の思い描く“幸せな家族”を幻術で作り出すようになります。しかしそれは、本人にとって心地よくとも、他人にとっては閉ざされた牢獄。歪んだ理想が他者を巻き込む形で暴走していく様子は、呪いやトラウマを象徴的に描いています。
一方の銭は、幻術師としての力だけでなく、人の心を見抜く力も持っています。彼は、フユミに対して戦うのではなく、“救うための幻術”を最後に見せます。それは、フユミが本当に欲しかった家族の形を突きつけるという、優しさと残酷さを兼ね備えた幻。
この“救いと解放”の瞬間こそ、ワンダーランド編の最大のテーマ。呪いは暴力ではなく、理解と受容によってほどかれる――そんなメッセージが、この巻には込められています。
ストーリー復習:1〜9巻までのあらすじを超簡単に
『出禁のモグラ』は、「あの世」と「この世」の境界で起こる不可思議な事件を、幻術使いの銭と幽霊少女たちが解決していくダークファンタジー。
物語は、依頼を受けて“霊的に問題のある家や場所”を訪れる銭とモグラたちの活動を描きつつ進みます。1〜5巻は短編・中編の“依頼解決型エピソード”が中心。6巻以降からは徐々に長編構成になり、物語の裏に潜む因縁や登場人物同士の関係性が明らかに。
とくに「フユミ編」に入る8巻以降では、犬飼家に住む謎の“家族ごっこ”の霊たちが登場。フユミという少女霊が作り出した理想の家庭空間が、モグラたちを飲み込んでいく過程が描かれます。
9巻ではフユミ一家と直接対峙し、彼女の過去や亡くなった理由が明かされ、ついに10巻で銭が“救い”の幻術を放つ――という流れです。
これを読めば、10巻だけ読んでも十分内容についていけます!
作者の想い:江口夏実が語る“ワンダーランド”の意味
『出禁のモグラ』の作者・江口夏実氏は、前作『鬼灯の冷徹』でもあの世や霊界をテーマに描いてきた漫画家ですが、本作ではより“現代的な闇”を掘り下げています。
ワンダーランド編において江口氏が意識したのは、「理想とは何か」「他人との距離感」「家族とは必ずしも救いか?」という問いだと語られています。
フユミというキャラクターは、表面上は「可愛くて不憫な少女霊」ですが、行動は恐ろしく自己中心的で破壊的。それでも読者が彼女に共感してしまうのは、彼女が「愛されたい」という一心で世界を作っているからです。
一方で、銭というキャラは“正しさ”ではなく“理解”で物事に向き合う人物。江口氏はインタビューで「この作品は、他人を救うのではなく、他人の“見たい幻”にそっと寄り添う話にしたかった」と述べています。
ワンダーランドは、誰しもが心の中に持つ“逃げ場所”であり、“呪い”にもなりうる。だからこそ、この巻の終わりには静かな余韻と、現実への帰還が描かれているのです。
SNSで話題!読者の感想・考察まとめ
『出禁のモグラ』10巻は、発売直後からSNS上でも多くの読者による感想・考察が投稿され、大きな反響を呼びました。以下は代表的な声のまとめです。
「ラストの銭の幻術、ただのバトルじゃなくて“解放”になっていて泣けた」
→ 幻術が“戦い”ではなく“癒し”として機能する描写に共感する声が多数。
「家族って呪いにもなるんだな…と思った」
→ フユミが執着した“家族”の象徴性に、読者が自身の経験を重ねる感想も目立ちます。
「怖い話なのに、どこか優しさがあって読後感が良い」
→ ホラーやサイコ要素がありつつも、救いのある終わりに満足したという意見が多め。
「出禁のモグラ、打ち切りかと思ってたけどこの10巻で完結って逆に納得」
→ ワンダーランド編で一段落したことに納得しつつも、続編への期待もにじむ反応。
さらに考察班による「フユミが見せた幻覚の構造」「銭の過去とのリンク」などの深読み分析も人気で、単巻で完結する物語ながら“語れる深さ”が高く評価されています。
こんな人におすすめ/避けたほうがいい人
『出禁のモグラ』10巻は、単なるホラーやサスペンスを超えた“心に刺さる物語”として仕上がっています。ただし、その分、読む人を選ぶ側面もあります。
おすすめできる読者:
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家族・人間関係の“こじれ”や“再生”というテーマに興味がある人
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幻想と現実の境界が曖昧な演出が好きな人
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物語に感情移入しながら深く考察したい人
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精神的な描写や余韻のあるラストを求める読者
一方で、以下のような人には注意が必要です:
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グロテスクな演出や死生観に敏感な人
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ホラーが苦手な人(とくに心理的に重いタイプ)
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スッキリとした勧善懲悪のストーリーが好みの人
この巻は、キャラクターのトラウマや感情のもつれを丁寧に描いているため、「物語に“心の深部”を求める人」には非常に刺さる内容です。
次巻&アニメ情報:今後の展開は?
10巻でワンダーランド編が完結したことにより、今後の展開を気にするファンの声も多く聞かれます。現時点では、「出禁のモグラ」11巻に関する正式な発表はありませんが、TVアニメ化はすでに決定し、2025年7月7日より放送スタートとなっています。
アニメではワンダーランド編に至るまでのエピソードも描かれるとされ、モグラ、銭、フユミなどのキャラクターたちの背景がより多くの視聴者に届くことになりそうです。
アニメ公式サイトによると、主題歌アーティストやキャストも豪華で、特に銭役の声優が「原作以上にクールで繊細な演技」と評判。放送直前特番や配信サービスでの同時展開も予定されており、今後ファン層の広がりが期待されます。
また、作者の江口夏実氏もSNSで「まだ描きたいことはある」と発言しており、10巻で一段落しつつも、今後“新章”や“別の呪い”が描かれる可能性は十分あります。
まとめ&レビュー:10巻は“幻想の終わり”と“呪いの静かな解放”
『出禁のモグラ』10巻は、ただの最終巻ではありません。
それは、幻想という名の「逃げ場所」から抜け出す瞬間を描いた、静かで力強い脱出の物語でした。
フユミの望んだ“幸せな家族”は、誰にとってもやさしく、同時に苦しい幻想。
そこから脱するために必要だったのは、暴力でも否定でもなく、
“本当の気持ちに向き合ってくれる誰か”=銭の存在だったのです。
ラストには説明されない部分も多く残されますが、それがまたこの作品の余白となり、読者の心に考える余地を残します。
読み終わったあと、そっと本を閉じて、自分の中の“ワンダーランド”について考えたくなる――そんな一冊です。
まだ読んでいない方は、ぜひ10巻を通じて、モグラたちの最後の旅を見届けてみてください。