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- 外部UPSは不要?それとも必須?UPS HAT導入で変わるラズパイNASの安全性と停電耐性を徹底比較検証
- 第1章|製品概要・スペック総まとめ
- 第2章|UPS(無停電電源)導入メリット
- 第3章|外観・基板設計レビュー
- 第4章|対応バッテリー仕様解説
- 第5章|電源供給性能
- 第6章|充電&給電同時運用(パススルー動作)
- 第7章|I2C通信監視機能
- 第8章|電源監視ソフト設定
- 第9章|停電時動作検証
- 第10章|バッテリー駆動時間目安
- 第11章|マルチ保護回路解説
- 第12章|安全性・発火リスク注意
- 第13章|設置方法・組み立て手順
- 第14章|ケース互換性
- 第15章|冷却・発熱影響
- 第16章|NAS用途適性
- 第17章|ホームサーバー用途
- 第18章|IoT/監視カメラ用途
- 第19章|ポータブル電源用途
- 第20章|他社UPS HAT比較
- 第21章|メリット総整理
- 第22章|デメリット(やめとけ要素)
- 第23章|おすすめユーザー層
- 第24章|向かない人
- 第25章|導入コスト・コスパ
- 第26章|購入前チェックポイント
- 第27章|総合評価・結論
外部UPSは不要?それとも必須?UPS HAT導入で変わるラズパイNASの安全性と停電耐性を徹底比較検証

第1章|製品概要・スペック総まとめ
Waveshare製「UPS HAT(5V)」は、Raspberry Piシリーズに装着して使用する無停電電源拡張ボードです。40PIN GPIOヘッダーに直接接続するHAT形式を採用しており、外付けUPS機器を使わずにコンパクトな電源バックアップ環境を構築できます。
対応機種はRaspberry Pi 4Bをはじめとした40PIN搭載モデル。オンボード5Vレギュレーターにより最大2.5Aの連続出力が可能で、Pi本体に加えてUSB機器への電源供給にも対応します。
またI2C通信により、バッテリー電圧・電流・消費電力・残容量をリアルタイム監視できる点も特徴。OS側から電源状態を取得し、自動シャットダウンなどの制御に活用できます。
なおバッテリーは別売で、対応サイズ・仕様を満たすLi-ionまたはLi-Po電池を用意する必要があります。
第2章|UPS(無停電電源)導入メリット
Raspberry PiにUPSを導入する最大の目的は「突然の電源断対策」です。通常、ラズパイはACアダプタ直結運用が多く、停電やケーブル抜けが発生すると即時シャットダウンされます。
これにより発生しやすいトラブルが、
-
SDカード破損
-
ファイルシステム損傷
-
サーバーデータ消失
-
OS起動不能
UPS HATを装着すれば、停電時でも一定時間の電力供給を維持でき、システムは安全なシャットダウン処理を実行可能。NAS・Webサーバー・IoT機器など常時稼働用途では、安定運用に直結する重要な保護装置となります。
小型構成のまま電源冗長性を確保できる点は、ラズパイ運用における大きなメリットです。
第3章|外観・基板設計レビュー
UPS HATはRaspberry Pi本体サイズに合わせた基板設計となっており、GPIOヘッダーへ垂直にスタック接続する構造です。ケーブル接続不要で装着できるため、配線がすっきりまとまります。
基板上には、
-
バッテリー接続端子
-
充電制御回路
-
電源管理IC
-
USB出力ポート
-
ステータスLED
などが集約配置。LEDインジケーターにより充電状態や残量警告を視覚的に確認できます。
またUSB出力を利用すれば、ラズパイ以外の小型機器(センサー、通信モジュール等)へ電源供給も可能。HATながら拡張電源モジュールとしての役割も担う実用的な基板設計となっています。
第4章|対応バッテリー仕様解説
UPS HATを運用する上で最も重要なのが、対応バッテリーの選定です。本製品はリチウムイオン(Li-ion)およびリチウムポリマー(Li-Po)電池に対応していますが、すべての電池が使用できるわけではありません。
まずサイズ制限として「全長67mm未満」という条件があります。市販の18650セルでも、保護回路付きモデルは長さが超過する場合があり、物理的に装着できないケースがあるため注意が必要です。
また保護基板の仕様差によっては、充放電制御が正常に動作しない場合もあります。メーカー推奨または仕様互換が確認された電池を選ぶことが、安全運用の前提となります。
容量目安としては、
-
2000〜3000mAh:短時間バックアップ
-
4000mAh以上:サーバー用途
運用時間に応じて選定するのが基本です。
第5章|電源供給性能
本UPS HATにはオンボード5Vレギュレーターが搭載されており、最大2.5Aの連続出力に対応します。これはRaspberry Pi 4Bの標準動作電流をカバーする設計で、通常用途であれば安定給電が可能です。
具体的には、
-
OS起動
-
Webサーバー稼働
-
NAS運用
-
カメラ接続
といった常時稼働用途でも電圧降下が起きにくく、安定した電源供給を維持します。
さらにUSB電源出力も備えており、小型ディスプレイ、センサー、通信モジュールなど外部デバイスへの給電にも対応。電源ハブ的な役割も兼ね備えた設計です。
ただし高負荷USB機器(HDD・AIアクセラレータ等)を同時接続する場合は、総電流量に注意が必要です。
第6章|充電&給電同時運用(パススルー動作)
本製品は充電と電源供給を同時に行うパススルー給電に対応しています。通常時は外部電源からラズパイへ給電しつつ、バッテリーを自動充電。停電時にはシームレスにバッテリー駆動へ切り替わります。
この仕組みにより、
-
常時稼働サーバー
-
IoT監視システム
-
防犯カメラ
-
リモートアクセス機
など、停止が許されないシステムでも安定運用が可能です。
充電時間はバッテリー容量や入力電源に依存しますが、一般的な18650セルで数時間程度が目安。運用中に自動充電されるため、UPSとしての実用性は高い設計となっています。
電源断時も即座に電池駆動へ移行するため、ラズパイが再起動せず稼働を維持できる点が最大の利点です。
第7章|I2C通信監視機能
Waveshare UPS HATの大きな特徴の一つが、I2Cバス通信による電源状態の可視化です。単なるバッテリーバックアップではなく、ラズパイ側から電源データを取得し制御に活用できる点が開発用途でも高く評価されています。
取得可能な主な情報は以下の通りです。
-
バッテリー電圧
-
充放電電流
-
消費電力(W)
-
残容量(%)
これらをリアルタイムで監視することで、停電検知・負荷分析・運用ログ取得が可能になります。サーバー用途では電源状態の見える化が安定運用に直結するため、I2C監視機能は実務的メリットが大きい要素です。
システム監視ダッシュボードに組み込めば、UPS状態も含めた統合管理が実現します。
第8章|電源監視ソフト設定
UPS HATの監視機能を活用するには、専用ライブラリやスクリプトの導入が必要です。Waveshare公式WikiではPythonベースのサンプルコードや設定手順が公開されています。
基本的な流れは以下の通りです。
-
I2C有効化(raspi-config)
-
必要ライブラリ導入
-
電源監視スクリプト実行
-
自動起動設定
これにより、バッテリー残量や電圧をOS上で確認可能。さらに残量閾値を設定することで、自動シャットダウン処理も実装できます。
GUI監視ツールやGrafana連携などに発展させれば、サーバー監視基盤としても活用可能。単なる電源装置を超えた“電源管理モジュール”として運用できます。
第9章|停電時動作検証
実際のUPS性能を評価する上で重要なのが、停電発生時の挙動です。本UPS HATは外部電源断を検知すると、即座にバッテリー駆動へ切り替わります。切替時間は非常に短く、ラズパイが再起動することは基本的にありません。
主な動作フローは以下の通りです。
-
外部電源断検知
-
バッテリー供給へ移行
-
I2C経由で停電通知
-
自動シャットダウン(設定時)
この一連の流れにより、SDカード破損やデータ損失リスクを大幅に低減できます。
特にNAS運用やログ収集サーバーでは、強制電源断によるファイルシステム損傷が致命傷になりやすいため、UPS HATの導入効果は極めて大きいといえます。
短時間停電であればそのまま稼働継続できる点も、実運用での安心材料です。
第10章|バッテリー駆動時間目安
UPS HAT導入時に最も気になる要素が「停電時にどれくらい稼働できるか」です。駆動時間は接続するバッテリー容量とRaspberry Pi側の消費電力によって大きく変動します。
一般的な目安は以下の通りです。
-
2000mAh:約20〜30分
-
3000mAh:約30〜45分
-
4000〜5000mAh:約1時間前後
NAS運用やUSB機器接続時は消費電力が増えるため、駆動時間は短縮されます。一方、ヘッドレス運用やIoT用途の軽負荷環境では、同容量でもより長時間稼働が可能です。
UPS HATは長時間バックアップ用途ではなく、「安全停止時間確保」や「短時間停電対策」を主目的とした設計と理解しておくことが重要です。
第11章|マルチ保護回路解説
本製品にはリチウム電池運用に不可欠な多重保護回路が搭載されています。これにより安全性と電池寿命を確保しています。
主な保護機能は以下の通りです。
-
過充電保護
-
過放電保護
-
過電流保護
-
短絡(ショート)保護
-
逆接続保護
-
セルバランス充電
特に過放電保護は重要で、電圧低下による電池劣化や発火リスクを抑制。セルバランス充電機能により、複数セル使用時でも均一充電が可能です。
これらの安全設計により、長時間常時稼働システムでも安心して運用できる電源基盤が構築できます。
第12章|安全性・発火リスク注意
リチウム電池を扱うUPS製品では、安全管理が極めて重要です。Li-ion/Li-Po電池はエネルギー密度が高い反面、取り扱いを誤ると発火・膨張・破裂のリスクがあります。
特に注意すべきポイントは以下の通りです。
-
極性逆接続禁止
-
劣悪充電器の使用禁止
-
異種電池混用禁止
-
老朽電池の継続使用回避
また、バッテリー寿命はサイクル回数に依存し、一般的に2年前後で交換推奨とされています。
設置環境も重要で、可燃物付近や高温環境は避ける必要があります。UPS HATは安全回路を備えていますが、最終的な安全性は電池品質と運用管理に依存するため、信頼性の高いメーカー製セルを使用することが推奨されます。
第13章|設置方法・組み立て手順
UPS HATの導入は比較的シンプルですが、安全かつ安定動作させるためには正しい手順での組み立てが重要です。基本的な設置フローは以下の通りです。
-
Raspberry Piの電源を完全にオフ
-
GPIO 40PINヘッダー位置を確認
-
UPS HATを垂直に差し込み固定
-
対応バッテリーを端子へ接続
-
外部電源を接続し充電確認
GPIOはピン位置が固定されているため、斜め挿しやズレ装着は接触不良の原因となります。確実に奥まで装着し、スペーサーで固定するのが理想です。
また初回起動前に電圧監視スクリプトを導入しておくと、安全運用に移行しやすくなります。
第14章|ケース互換性
UPS HATを装着すると基板高さが増すため、既存ケースとの互換性に注意が必要です。標準Raspberry Piケースの多くはHAT重ね装着を想定しておらず、以下の問題が発生しやすくなります。
-
上部カバーが閉まらない
-
放熱口が塞がる
-
USB配線干渉
そのため、UPS運用時は以下の選択が推奨されます。
-
HAT対応ケース
-
アクリルスタックケース
-
オープンフレーム
高さ余裕と通気性を確保することで、電源・熱の両面で安定性が向上します。
第15章|冷却・発熱影響
UPS HATは充電制御回路とレギュレーターを搭載しているため、稼働中に一定の発熱が発生します。特に充電と給電を同時に行うパススルー運用時は発熱量が増加します。
一方、Raspberry Pi 4B自体も発熱が大きいモデルであり、
-
CPU負荷
-
ストレージアクセス
-
USB機器給電
が重なると内部温度が上昇しやすくなります。
対策としては、
-
ヒートシンク装着
-
冷却ファン併用
-
通気性ケース採用
が有効です。UPS+Piのスタック構成では熱がこもりやすいため、長時間サーバー運用では冷却設計も電源安定性と同等に重要な要素となります。
第16章|NAS用途適性
UPS HATはRaspberry PiをNASとして運用する際に非常に有効な拡張モジュールです。OpenMediaVaultなどのNAS OSを導入している環境では、停電や電源断がストレージ障害へ直結するリスクがあります。
特に外付けHDDやSSDを接続している場合、強制電源断による書き込み中断はデータ破損の原因となります。UPS HATを導入することで、停電時でも安全なアンマウント処理とシャットダウンが可能となり、ストレージ保護性能が大幅に向上します。
小規模バックアップサーバーや家庭用NASでは、簡易UPSとしてコストを抑えつつデータ安全性を高められる点が大きなメリットです。
第17章|ホームサーバー用途
Raspberry Piは低消費電力サーバーとして人気があり、UPS HATとの組み合わせにより常時稼働信頼性が向上します。
代表的な運用例としては、
-
Webサーバー
-
DNSサーバー
-
VPNゲートウェイ
-
Home Assistant
などが挙げられます。これらのサービスは24時間稼働が前提となるため、短時間停電でも停止しない電源設計が重要です。
UPS HATを導入すれば、停電検知→安全停止→自動復帰といった運用フローも構築可能。自宅インフラ基盤としての信頼性を高める拡張パーツといえます。
第18章|IoT/監視カメラ用途
IoTシステムや遠隔監視用途でもUPS HATは有効です。電源停止がそのまま監視停止につながるため、バックアップ電源は必須装備といえます。
具体的な活用例は以下の通りです。
-
防犯カメラ録画サーバー
-
温湿度センサー収集装置
-
スマートホーム制御
-
農業モニタリング
短時間停電でもログ欠損や録画中断を防げるため、データ連続性が重要なシステムに適しています。
またモバイルバッテリー的運用も可能なため、屋外設置機器や仮設監視装置など電源が不安定な環境でも活躍します。
第19章|ポータブル電源用途
UPS HATは停電対策だけでなく、ポータブル電源ユニットとしても活用できます。バッテリー駆動により、電源コンセントがない場所でもRaspberry Piを稼働させることが可能です。
代表的な利用シーンは以下の通りです。
-
展示会デモ機
-
屋外IoT検証
-
イベント装置
-
教育実習
小型・軽量構成を維持したままバッテリー駆動できるため、可搬型コンピューティング環境を構築できます。
ただし長時間運用には大容量セルが必要となるため、用途に応じたバッテリー設計が重要になります。
第20章|他社UPS HAT比較
Raspberry Pi向けUPS拡張ボードは複数メーカーから展開されていますが、Waveshare UPS HATはコスト・機能バランス型のポジションに位置します。
代表的な競合としては以下が挙げられます。
-
PiJuice HAT
-
Geekworm UPSシリーズ
-
52Pi UPSモジュール
PiJuiceはバッテリー一体型で完成度が高い反面、価格は高め。専用ソフト統合度も高く、プロ用途向きです。
Geekwormは大容量セル対応や長時間駆動モデルが強み。UPS+NAS用途に適します。
対してWaveshareは、
-
I2C監視機能
-
安全回路
-
小型設計
-
導入コスト低
というバランス型設計。短時間停電対策や教育・開発用途に適した選択肢です。
第21章|メリット総整理
Waveshare UPS HATの強みを整理すると以下の通りです。
-
GPIO直結の省スペース設計
-
停電時バックアップ給電
-
I2C電源監視対応
-
パススルー給電
-
マルチ保護回路搭載
-
USB外部給電対応
単なるバッテリー拡張ではなく、「電源管理+安全停止+監視」を一体化したモジュールとして機能する点が最大のメリットです。
特にサーバー用途では、安定運用の基盤を強化できるコスト効率の高い拡張パーツといえます。
第22章|デメリット(やめとけ要素)
一方で、導入前に理解すべき弱点も存在します。
-
バッテリー別売
-
駆動時間は短め
-
ケース互換制限
-
高負荷機器給電不可
大容量UPSの代替にはならず、「短時間停電対策」に用途が限定される点は注意が必要です。
またセル選定・安全管理をユーザー側で行う必要があるため、初心者にはややハードルが高い側面もあります。
第23章|おすすめユーザー層
本UPS HATが適しているユーザー層は以下の通りです。
-
Raspberry Pi NAS運用者
-
自宅サーバー管理者
-
IoT開発エンジニア
-
常時稼働システム運用者
-
教育・研究用途
特に「停電=データ損失」に直結する用途では導入価値が高く、コスト以上の保護効果を得られます。
第24章|向かない人
逆に以下の用途には適していません。
-
長時間停電バックアップ
-
デスクトップPC代替UPS
-
高出力機器電源
-
AIアクセラレータ運用
数時間〜半日運用を想定する場合は、外部AC UPSの導入が現実的です。
第25章|導入コスト・コスパ
UPS HAT本体に加え、バッテリー費用が発生します。概算コスト構成は以下の通りです。
-
UPS HAT本体
-
18650セル×1〜2
-
対応ケース
それでも外部UPS機器と比較すれば低コストで導入可能。
「安全停止機能付き電源保護」としてのコストパフォーマンスは高く、家庭用サーバーや小規模IoT用途では十分実用的です。
第26章|購入前チェックポイント
導入前に確認すべき要素を整理します。
-
バッテリーサイズ67mm未満
-
保護基板互換性
-
ケース高さ余裕
-
必要バックアップ時間
-
接続USB負荷量
これらを事前確認することで、組み立て後のトラブルを防止できます。
第27章|総合評価・結論
Waveshare UPS HATは、Raspberry Pi向け電源拡張としてコンパクト・低コスト・監視対応を両立した完成度の高いUPSモジュールです。
-
停電対策:◎
-
NAS保護:◎
-
IoT運用:◎
-
ポータブル用途:○
-
長時間UPS:△
短時間停電からシステムを守り、安全停止を実現する目的では非常に有効。
本格UPSほどの長時間駆動は望めないものの、ラズパイ常時稼働環境の信頼性を高める実用的電源ソリューションとして高く評価できる製品です。

