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ヘッドセット不要の時代へ。Razer Clioが“背後サラウンド”を変えた理由を徹底レビュー

ヘッドセットの締め付けや蒸れに悩むゲーマーに、新しい選択肢が登場しました。Razer Clioは、ゲーミングチェアのヘッドレストがそのまま“背後スピーカー”になる革新的デバイス。耳を塞がずにTHX Spatial Audioの立体音響を楽しめるため、FPSの足音定位から映画の没入感まで、従来のオーディオでは味わえない体験を提供します。本記事では音質・遅延・音漏れ・チェア相性・メリット/デメリットを実機ベースで徹底レビューし、他製品との違いや購入時の注意点まで詳しく解説します
1. はじめに:椅子がスピーカーになる時代
ゲーミングオーディオの常識は、ここ数年で大きく変わりつつあります。従来の主流はヘッドセットやイヤホンでしたが、長時間使用による耳の蒸れ、締め付け、肩こり、髪型の乱れといった不快感から、より“身体への負担が少ない没入方法”が求められるようになりました。
そんな課題に対し、Razerは「ヘッドセットを使わずに没入したい」という需要へ真正面からアプローチしたのが Razer Clio です。
これは単なるスピーカーではなく、ゲーミングチェアのヘッドレストがそのまま音響装置になる“新カテゴリ”のデバイス です。
耳を塞がず、頭のすぐ後ろにサラウンドが広がる――。
これまでのオーディオ環境とはまったく異なる、新しいゲーム体験を開く存在として注目されています。
2. 製品概要と仕様
Razer Clioは、ヘッドクッションとスピーカーを一体化させたワイヤレス音響デバイスです。内部には43mmフルレンジドライバー×2 と パッシブラジエーター を搭載し、ゲーミングヘッドセットに匹敵する定位感を、耳を塞がずに再現します。
接続方式は Razer HyperSpeed(2.4GHzワイヤレス)と Bluetooth を両対応。
PC・PS5・Switch・スマホなど、主要デバイスとの互換性を備えています。
ヘッドクッション部は厚みのあるフォーム素材で、長時間座る際の首・頭部のサポートも兼ねるため、ゲーミングチェアの快適性自体を向上させる役割も果たします。
また、バッテリーは最大14時間駆動し、USB-Cによる充電が可能(ケーブルは別売)。
さらに、取り付けストラップによって幅47〜65cm程度のヘッドレストに対応し、多くのゲーミングチェアに取り付け可能です。
3. 音響技術の詳細解析
Razer Clioの最大の魅力は、その“スピーカーの置き場所”にあります。
ユーザーの頭部に極めて近い場所(約20〜30cm)にスピーカーが配置されることで、「ニアフィールドリスニング」の恩恵を最大限受けられます。
■ ニアフィールドデュアルスピーカー構造
近距離に配置されたスピーカーは、音の減衰が少なく、反射の影響が少ないため、クリアで定位が正確な音 を届けることができます。また、角度のついた配置により、頭の位置が多少上下しても音が偏りにくい設計です。
■ 43mmフルレンジドライバー × パッシブラジエーター
43mmの大型ドライバーは、ゲーミングヘッドセットの平均サイズ(40mm前後)と同等かそれ以上のサイズで、広い帯域への対応力を持ちます。
さらにパッシブラジエーターにより、小型デバイスながら低音の量感を補強しており、背中から伝わる“体感的な低音”を実現します。
■ THX Spatial Audioの立体音響技術
ClioはTHX Spatial Audioに対応しており、ゲーム内の足音、銃声、環境音などの位置情報を立体的に再現します。
ヘッドセットでは得られる“頭内定位”とは異なり、スピーカーは“頭外定位”を得られるため、より自然な音場となり、音の方向性が直感的に理解しやすいのが強みです。
4. ゲーム・映画・音楽での実使用レビュー(ジャンル別)
Razer Clioはヘッドセットやネックスピーカーとも異なる“背後スピーカー型”の独特な音場を生み出します。
実際にさまざまなジャンルのゲーム・コンテンツを試すと、その特徴がより明確に体感できます。
■ FPS(Apex / Valorant / COD)
FPSでは“足音の方向性”が最重要ポイントですが、Clioのニアフィールド配置はこれに非常に相性が良いです。
背中のすぐ後ろで音が鳴るため、足音・銃声・リロード音などが左右に広く定位し、敵の接近方向を直感的に掴めます。
また、2.4GHz HyperSpeed接続では体感上遅延を意識することはほぼなく、ヘッドセットに近い操作レスポンスを維持できます。
■ RPG / オープンワールド(FF14 / 原神 / ゼルダ系)
RPGでは音の広がりが特に生きます。
雨音や風の音、街の喧騒、環境音の残響が、頭の上や背後から自然に広がるため、ヘッドセットでは感じにくい“空間に包まれる感覚”が強くなります。
また、BGM主体のゲームでは中音域が温かみのある音色で響くため、没入感が高いのが特徴です。
■ 映画(Netflix / Disney+ / Atmos系)
映画ではClioのサウンドステージがかなり広く感じられます。
特にアクション映画の爆発音や低音の迫力は、背中越しに伝わりやすく、視聴体験 自体が“身体的になる”点が面白いところです。
ただし、さすがに専用サウンドバーや5.1chシアターには及ばないため、「映画館級の音響」を求める層よりは「気軽にチェアで包まれるように観たい」ユーザー向けです。
■ 音楽
音楽に関してはジャンルによって得意不得意が分かれます。
ボーカル帯域は非常にクリアで聴き取りやすい一方、ヘッドホンよりも音場が広がりすぎてしまう曲では、定位が少し曖昧に感じる場合もあります。
低音はパッシブラジエーターのおかげで量感が十分ですが、深い低域は物理的に限界もあります。
総じて、ゲーム・映画では高い没入性、音楽ではリラックスしながら背後から“包まれる視聴”が魅力です。
5. 装着性&互換性:ゲーミングチェア別の最適設定
Razer Clioは「音響デバイスであると同時に、実用的なヘッドクッション」でもあります。
そのため、装着性・チェアとの相性が音質と同じくらい重要です。
■ チェア対応幅(約47〜65cm)の理由
Clioは内部にスピーカーやバッテリーが内蔵されているため、一般的なヘッドレストクッションよりも重量がある(約1.6kg)デバイスです。
この重量をしっかり支えるため、ストラップは複数の固定ポイントで締め付ける構造を採用し、幅広いチェアへ対応できるよう設計されています。
■ 主なチェアとの相性
-
AKRacing
→ 最も相性が良い。ヘッドレストの幅・硬さがClioに最適。 -
GTRacing
→ 取り付けやすいが、ヘッドレストが細いモデルは少し位置がズレやすい場合あり。 -
オフィスチェア(ヘッドレスト一体型)
→ 固い素材だとフィット感に影響しやすく、座面との位置関係で音場が変化しやすい。
装着の安定性は音の定位にも影響するため、装着後に椅子へ深く座り、頭が自然に当たるポジションへ微調整すると良いです。
■ 長時間使用時の負担と快適性
Clioはクッションとしても優れており、ゲーミングチェアの欠点である「首・頭の硬さ」を緩和します。
クッションが厚いため、長時間座っても首筋の疲労を感じにくく、ヘッドセットを使わないことで“装着疲れゼロ”の環境が整います。
6. 接続・遅延・運用性
Razer Clioの操作性や快適性は、接続方式・バッテリー・デバイス互換性に大きく依存します。
ここでは実際の運用時の使用感にフォーカスします。
■ HyperSpeed Wireless(2.4GHz)の低遅延性能
HyperSpeedはRazer独自の高速プロトコルで、マウスやキーボード等にも採用されている実績ある技術です。
Clioでも同技術が採用されており、FPSや音ゲーでも違和感のないレスポンスを発揮します。
“ほぼヘッドセットと変わらない遅延”という印象で、ゲーム用途では最も推奨される接続方式です。
■ Bluetoothの使い所
Bluetoothはスマホ・タブレットなどで便利ですが、体感遅延が少し発生するため、映画視聴や音楽向き。
ゲーム用途ではHyperSpeedより遅延を感じる場合があります。
■ PC・PS5・Switchとの互換性
-
PC(Windows/Mac) → HyperSpeedドングルで安定接続
-
PS5 → USBドングルで簡単接続
-
Switch → Bluetooth接続がメイン(遅延はややあり)
複数デバイスを使い分ける人にとって、接続切り替えが非常にスムーズなのは大きなメリットです。
■ バッテリーの実使用時間
公称14時間ですが、音量や接続方式によって12〜14時間程度が一般的です。
ゲーム・映画を週数回する程度であれば、2〜3日に1回の充電で十分運用できます。
■ USB-C充電の注意点
残念ながら充電ケーブルは付属していません。
1.5m〜2m程度のUSB-Cケーブルを用意しておくと、充電しながら使用したい場合に便利です。
7. 音漏れ・騒音の検証(環境別テスト)
Razer Clioはヘッドセットとは異なり、スピーカーを使用するため「音漏れゼロ」というわけではありません。
ただしニアフィールドであること、音源が頭の後ろで限定的に鳴ることから、一般的な外部スピーカーよりは大幅に漏れにくい構造です。
■ 一人暮らし(木造アパート)での音漏れ
木造は壁が薄く反響しやすい環境ですが、Clioを“通常音量(30〜40%)”で使う限り、隣室に聞こえる可能性は低いです。
ただし、深夜に大音量(60〜80%)で使うと、低音部分だけ壁へ伝わりやすく、わずかに響く可能性があります。
■ 家族同居・リビング横の部屋
ドアを閉めた状態では、音漏れは小音量でほぼ気にならず、テレビよりも漏れにくいレベルです。
ただし爆発音や激しいシーンは“空気振動として”伝わる可能性があるため、深夜は控えめな音量が推奨されます。
■ マンション(鉄筋コンクリート)の場合
鉄筋は音が漏れにくい構造のため、Clioの音漏れはほぼ問題になりません。
一般的なスピーカーとは違い、 音が後頭部に集中して鳴るため、横・上下方向に広がりにくい のがメリットです。
■ 音量別のデシベル(目安)
-
30〜40%:静かな部屋で軽く聞こえる
-
50〜60%:自室はやや迫力、隣室はほぼ気にならない
-
70〜80%:ゲーム・映画向き、深夜は注意
-
90%〜:音漏れの可能性が高いレベル
Clioは「スピーカーとしては非常に控えめに漏れる」設計だと言えますが、完全に無音環境が必要な深夜帯は音量調整が必須です。
8. 競合比較:他の選択肢と何が違うのか
Razer Clioは非常にユニークなポジションの製品であり、同カテゴリに直接競合がほぼ存在しません。
そのため、ネックスピーカー、ヘッドセット、サウンドバーなど、隣接ジャンルとの比較が参考になります。
■ ネックスピーカー(BOSE / SONY)との比較
ネックスピーカーは首にかけるため音の定位が“耳の横”になりますが、Clioは“後頭部のすぐ後ろ”のため、背後から包み込む立体感が圧倒的に強い のが差別化ポイントです。
また、首に乗せない分、肩こりを起こしにくいのも利点。
■ ゲーミングヘッドセットとの比較
Clioの最も大きい強みは“耳を塞がない”こと。
ヘッドセットは定位が非常に正確ですが、長時間使用の疲労、蒸れ、締め付けなどの問題が避けられません。
Clioは定位精度では若干劣りますが、快適性では圧倒的に上回ります。
■ サウンドバー・2.1chスピーカーとの比較
サウンドバーは部屋全体が音場になるため迫力は強いですが、深夜には使いにくく、設置スペースも必要です。
Clioは“自分だけが包まれる音場”を作るため、マンションや個室で非常に扱いやすいのがメリットとなります。
■ Clioの唯一無二ポイント
-
ゲーミングチェア専用の背後スピーカー
-
耳を塞がずにTHX Spatial Audioを体験
-
自分だけの“パーソナルサラウンド空間”を作れる
-
チェアの快適性そのものも向上させる
他の製品には、同じ組み合わせのアプローチは存在しません。
9. メリット・デメリット徹底整理
実使用に基づき、Clioの強みと弱点を総合的に整理します。
■ メリット
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耳を塞がずにゲーム・映画の没入感を得られる
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長時間プレイでも肩・耳が一切疲れない
-
ヘッドセットの蒸れ・髪型崩れゼロ
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背後から独特の音場が生まれ、包まれるようなサウンド体験
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デスク周りがスッキリする(スピーカー置き場不要)
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HyperSpeed WirelessでFPSでも遅延を感じにくい
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チェアの座り心地を改善するクッション性
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デバイス間の切り替えがスムーズ(PC→スマホなど)
■ デメリット
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音漏れゼロではない(深夜は音量注意)
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ゲーミングチェアに最適化されており、オフィスチェアでは相性に差が出る
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重量があるため、ヘッドレストが弱いチェアだと沈みやすい
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低音はサブウーファーのような深い迫力までは出ない
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音質は“リラックス向き”で、モニター用途には不向き
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価格は比較的高め(新カテゴリゆえ)
■ 総評
Clioは「ヘッドセットの疲れから解放されたい」「背後から包まれる音が好き」「デスク周りをスッキリさせたい」というユーザーに最適なアイテムです。
一方、完璧な無音環境が必要な深夜帯や、チェアと相性の悪い環境では工夫が必要となります。
10. どんな人に向いているか/向かないか
Razer Clioは非常に独自性の高い製品であるため、ユーザーの用途によって「最高の選択」になる場合と「別の選択肢のほうが良い」場合があります。ここでは、実使用を踏まえた“相性の良いユーザー像”を整理します。
■ Razer Clioが向いている人
-
ヘッドセットの締め付け・蒸れ・重さで疲れやすい人
→ 長時間のゲーム・映画視聴でも耳や首が一切疲れません。 -
FPS・RPG問わず、没入感を重視するゲーマー
→ THX Spatial Audioによる立体音響を、耳を塞がずに体感できます。 -
1人暮らし・ワンルームで“個人用サラウンド環境”を作りたい人
→ スピーカーを設置するスペースが不要で、音漏れも比較的抑えられます。 -
映画や音楽を“背後から包まれる音”で楽しみたい人
→ ヘッドホンやサウンドバーとは異なる音場が味わえます。 -
ヘッドセットの見た目や髪型の崩れが気になる人
→ 配信・VCでも耳を塞がないため、呼吸感が自然。 -
デスクをミニマルに保ちたい人
→ スピーカー・アンプ・スタンドが不要になります。
■ 向かない可能性がある人
-
完全な無音環境でしか使えない深夜ゲーマー
→ 音量によっては音漏れが発生するため、ヘッドセットのほうが安全。 -
オフィスチェアや特殊形状の椅子を使っている人
→ 取り付けられない、またはフィットしにくい場合があります。 -
映画館級の迫力(重低音)を求めるユーザー
→ サブウーファー搭載のホームシアターには勝てません。 -
正確な定位を求めるプロ志向の音響ユーザー
→ ゲーム向きの定位は高いが、スタジオモニターの代わりにはなりません。
用途がハマれば“唯一無二の体験”を提供する製品と言えるでしょう。
11. 購入ガイド
Clioを購入する前に知っておくべき情報や、チェックすべき項目をまとめました。特にチェアとの相性や付属品の確認は重要なポイントです。
■ 購入前チェックリスト
-
自分のチェアのヘッドレスト幅が47〜65cmの範囲か?
-
椅子のヘッドレスト形状(角度・硬さ)は相性が良いか?
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USB-Cケーブルを別で用意する必要がある(付属なし)
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長時間使用する環境か?(クッションとしても使える)
-
深夜の使用が多いか?(音漏れが許容範囲か検討)
-
PC/PS5/スマホなど複数デバイスを使うか?
→ HyperSpeedとBluetoothの切り替えが便利。
■ どこで買うのが安い?
-
Amazon(正規代理店品)
→ 最も安定した価格と保証、セール対象になりやすい。 -
Razer公式ストア
→ 予約開始時や限定カラーの入手に向く。 -
家電量販店(ヨドバシ・ビックなど)
→ ポイント還元を重視する場合におすすめ。
■ 必要な周辺アクセサリー
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USB-Cケーブル(1.5〜2m推奨)
-
USB-C急速充電器
-
チェア背面の滑り止めシート(装着が不安定な場合に役立つ)
■ 購入時の注意点
-
重量があるため、ヘッドレストの耐久性が弱いチェアは注意
-
配送時は大きめの箱で届くため、開封スペースが必要
-
音質より“体験”に価値を置いた製品であることを理解しておく
12. まとめ
Razer Clioは、ヘッドセットでもサウンドバーでもない、新しい“パーソナルサラウンド”の形を提示した革新的なデバイスです。
■ Clioの価値を改めて整理すると
-
耳を塞がずに立体音響を楽しめる唯一無二の存在
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背後から包み込むサウンド体験は従来機器にない魅力
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環境さえ合えばヘッドセットを完全に置き換えられる
-
デスク周りがシンプルにまとまり、快適性が向上
-
HyperSpeedの低遅延によりゲームでも実用レベル
■ 一方で留意点もある
-
チェアとの相性次第で快適性や音場が変わる
-
深夜の大音量は音漏れが懸念
-
重低音は物理的に限界がある
-
価格はやや高いが、体験価値は高い
総評として、Clioは “ゲーム・映画・音楽をより自然に、より快適に楽しみたい人”に最適なデバイス です。
単なるオーディオ機器としてではなく、生活空間と体験をアップグレードするプロダクトとして評価できます。

