BLUE GIANT MOMENTUM（5）あらすじ・感想・見どころを徹底解説｜ジャズコンペ編の核心に迫る！

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魂で吹くサックス、評価されない自由──“音が聴こえる漫画”が描くジャズコンペの真実

ジャズ漫画の金字塔『BLUE GIANT MOMENTUM』第5巻は、物語の舞台を本場アメリカのジャズコンペに移し、13人の精鋭サックスプレイヤーたちが火花を散らす熱き戦いが描かれます。ルールに縛られず、魂のままに音を放つ主人公・大の演奏は、観る者の心を揺さぶり、同時に審査員との緊張感も生み出していく——。この記事では、5巻のあらすじ・見どころ・演奏描写の魅力を、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。

1. 漫画なのに音が聴こえる──BLUE GIANT MOMENTUMが胸を打つ理由

「ジャズって難しそう」「音楽は耳で聴くもの」──そんな先入観を軽やかに飛び越えてくるのが、『BLUE GIANT MOMENTUM』です。

この作品では、音が一切聴こえないはずの漫画という媒体で、“音楽の臨場感”や“感情の高まり”をこれでもかと描ききっています。
セリフを超えた無音のコマ割り、激しく吹き込む息づかいを思わせる描線、汗や唾が飛び散る迫力の構図。そうした細部の積み重ねが、読者の想像力を刺激し、まるで耳で音を感じているような錯覚を起こすのです。

読後には、「音が“見えた”」「ページをめくる手が止まらなかった」といった感想が相次ぐのも納得。
漫画なのにライブ感がある、それこそがこのシリーズの真骨頂です。

2. ついに開幕！世界最高峰のジャズコンペと13人の戦い

5巻の主な舞台となるのは、アメリカで最も権威あるジャズ大会「インターナショナル・ジャズ・コンペティション」。
音源審査を通過した精鋭たちが、ニューヨークのステージで直接演奏を披露し、審査員と観客の前で評価されます。

この第2次予選に登場するのは、大を含む13人のサックスプレイヤーたち。
彼らはそれぞれが圧倒的な個性と技術を持ち、演奏スタイルも多種多様。華やかでトリッキーなプレイ、技巧に走らず心を届けるもの、オールドスクールからアバンギャルドまで、まさにジャズの“現在地”が詰まった場面といえるでしょう。

その中で大は、「評価されるための演奏」ではなく、「心から鳴らしたい音」をまっすぐに届けようとします。
ただし──それは、伝統や形式を重視する一部の審査員にとっては“問題”ともなりかねず…。

3. “音を描く”という奇跡──演奏シーンの臨場感に圧倒される

BLUE GIANTシリーズ最大の魅力のひとつが、「演奏している場面」に圧倒的な説得力があることです。
中でもMOMENTUM第5巻の演奏シーンは、読者の“想像の耳”を最大限に引き出す構成になっています。

演奏が始まると、セリフが消え、音符も出ない。ただキャラクターの姿勢、表情、汗、会場の空気──それだけで、「あ、今この音出してるな」と読者は直感的に感じ取れるのです。

また、複数人のプレイヤーが順に登場するこの巻では、同じサックスという楽器でこんなに“音の人格”が変わるのかと驚かされます。
表現されるのは、音そのものというより、“音を出す人の生き方そのもの”。

言葉がなくても伝わる。
それが、BLUE GIANTが音楽漫画の頂点と言われる所以です。

4. 『自由すぎる演奏』は評価されない？コンペのリアルな矛盾

ジャズは“自由な音楽”とよく言われますが、こと「コンペティション（競技）」になると話は別です。
そこには技術的完成度、構成力、音楽理論など、明確な「評価基準」が存在します。

大の演奏は、まさにその枠に収まらないものでした。
審査員に媚びず、譜面にも頼らず、ただ今ここで鳴る音に身を任せるような、魂からの演奏。

それは一部の審査員には「型破り」と映り、理解されにくいスタイルでもありました。
しかし、それこそが彼の真骨頂。「ルールの中で正しく演奏する」ことより、「今しかない音を表現する」ことを選んだのです。

これは、音楽に限らずどんな表現にも共通するテーマかもしれません。
評価されないかもしれない。それでも、自分を貫く。
読者はその姿に、勇気と覚悟を見出すのです。

5. 好敵手か仲間か──13人のサックスプレイヤー、それぞれの音

5巻の舞台では、主人公・大のほかにも12人の実力派サックスプレイヤーが登場します。
彼らは単なる“モブ”ではなく、それぞれが主人公になり得るような背景とスタイルを持っています。

・完璧な技術で魅了するクラシック系プレイヤー
・コンテンポラリー・ジャズを極めた理論派
・即興重視で自由奔放な演奏をするストリート出身の若者
・審査員に媚びることで勝ちを狙う“戦略型”の演奏家　…など

それぞれの演奏が披露されるたびに、**「音楽って、こんなに人柄が出るんだ」**という驚きと感動があります。

中には、大の演奏に強く反応し、意識するライバルも。
「勝つ」ことを目指してきた彼らが、大の“自由な音”に心を揺さぶられる展開は、まさに物語の核とも言える部分です。

6. 音で読ませる漫画の新境地──CDと連動した“2度おいしい”仕掛け

BLUE GIANT MOMENTUMの魅力をさらに引き出す仕掛けとして話題なのが、**特装版CD「MOMENTUM」**の存在です。

このCDには、作中に登場するジャズナンバーが実際のプロミュージシャンによって演奏され収録されており、漫画と並行して聴くことで、“聴こえなかったはずの音”が現実に再生される体験ができます。

• あのページのあの演奏が、実際の音として耳に届く

• キャラクターの吹いたソロが、自分の中で“再生”される感覚

• 音を知ったうえで再読すると、演奏シーンの深みがまったく変わってくる

つまり、漫画＋音楽のメディアミックスというより、「漫画が音楽の楽譜」になっているような感覚すらあるのです。

音楽が好きな人にも、漫画だけ読む人にも、これほど完成された連動体験は他にありません。

7. シリーズ未読でも大丈夫？──BLUE GIANTの世界観と「MOMENTUM」の位置づけ

『BLUE GIANT MOMENTUM』は、石塚真一による大人気音楽漫画『BLUE GIANT』シリーズの第3部にあたります。

シリーズ構成は以下のとおり：

1. BLUE GIANT（仙台編）：ジャズに出会った高校生・大の出発点

2. BLUE GIANT SUPREME（ヨーロッパ編）：一人旅とバンド結成を経て、世界へ

3. BLUE GIANT MOMENTUM（アメリカ編）：ジャズの本場・NYでの挑戦が描かれる ←今ココ

一見すると「読破しないと楽しめないのでは？」と思うかもしれませんが、5巻からでも問題なく楽しめます。

なぜなら、各章がそれぞれ完結型の挑戦ストーリーになっており、その場その場の“音”と“人間ドラマ”が中心だからです。

もちろん、シリーズを追うごとに大の成長や音の深みがより感じられますが、「今を生きる音楽」のリアルが1冊でもしっかり伝わるのがこの作品の強みです。

8. 読者の声に共感の嵐──「音が聴こえた」「泣いた」「熱すぎる」

SNSやレビューサイトでは、5巻の発売直後から絶賛の声が続出。
特に多かった反応は以下のようなものです：

• 「漫画なのに、ここまで演奏の空気が伝わってくるなんて…」

• 「読んでたら自然にBGMが頭の中で流れてた」

• 「ページをめくる手が止まらない。これはジャズじゃなくても“音楽”として響く」

• 「大の姿に泣いた。あの“自由な音”を信じて演奏し続ける姿勢に感動」

また、音楽ファンだけでなく、普段ジャズに縁がない人たちからも
「こんなに熱くなれるとは思わなかった」という声が多く、読者層の広さも印象的です。

この5巻は、“音を届けること”の本質をストレートに描いているため、音楽のジャンルや知識を問わず、心のど真ん中に届く1冊と言えるでしょう。

9. まとめ：BLUE GIANT MOMENTUM 5巻は、“音が見える”奇跡の1冊

BLUE GIANT MOMENTUMの第5巻は、ジャズという音楽ジャンルを超えて、**「人が自分の表現を信じてぶつかる姿の物語」**として圧倒的な力を放っています。

• 音が聴こえないはずの漫画なのに、演奏のすべてが感じられる

• コンペの緊張感と、人間ドラマの熱量が息をのむように展開する

• 大の演奏は、読者に「自分の声を信じる強さ」を思い出させてくれる

音楽好きにも、漫画好きにも、そうでない人にも届く力を持つこの作品。
もしまだ手に取っていないなら、「今、この瞬間の熱」を感じてほしいと強く思います。

そして、読んだあとにページを閉じるとき、
あなたの中にも、きっと“何かが響いて残っている”はずです。