【ネタバレ考察】忘却バッテリー 23巻 感想・見どころ|西東京大会決勝で描かれる桐島の覚醒と小手指の試練

このサイトはアフィリエイト広告を利用しております

静かな失点が試合を変える、決勝戦の重圧と戦略を描いた転換点

忘却バッテリー 23

『忘却バッテリー』23巻は、西東京大会決勝・小手指VS氷河の緊張を、派手さよりも準備と読みの差で描き切った重要巻だ。智将・要のリードで流れを掴みかけた小手指は、徹底した瀧対策と覚醒した桐島の豪速球の前に失点を喫し、試合の位相が静かに反転していく。勝敗そのものより、「完成度が高いだけでは届かない」という現実を突きつける構成が、決勝戦の重圧を際立たせる。デジタル版ではジャンプ+掲載時のカラーページを完全収録し、心理戦の臨場感も増幅。次巻への必然を刻む転換点として、読み返すほど評価が深まる一冊だ。

(ジャンプコミックスDIGITAL)

① 『忘却バッテリー 23巻』の基本情報と位置づけ

忘却バッテリー』23巻は、西東京大会の決勝戦という物語上の最重要局面を描く巻です。小手指と氷河、両校の準備と思想が真正面から衝突し、これまで積み上げられてきた要素が一気に試される“分水嶺”に位置づけられます。
また、Kindle版では「少年ジャンプ+」掲載時のカラーページを完全収録しており、試合の緊張感や演出が色彩面でも強化されています。物語の転換点としてだけでなく、電子版の完成度が最も体感できる巻でもあります。


② 23巻のあらすじ【西東京大会・決勝戦の展開】

決勝は小手指VS氷河。智将・要の巧みなリードで流れを掴みかけた小手指でしたが、「癖がなく、配球も読めないはずの投球」が次第に捉えられ、ついに失点を喫します。
表面的には“想定外の被弾”に見えるこの展開は、氷河側の周到な準備
があってこそ成立したもの。試合は拮抗から一転、氷河が主導権を握り、小手指が追い込まれる構図が鮮明になります。23巻は派手な得点の応酬ではなく、一球一球の意味が重く積み上がる展開で読者を引き込みます。


③ 氷河打線が好調な理由【桐島の“ある練習”とは】

氷河打線の好調は偶然ではありません。背景にあるのは、エース・桐島が考案した“ある練習”による、異常なまでの瀧対策です。単なる反復や筋力強化ではなく、瀧の投球特性そのものを分解し、再現性を高めるアプローチが描かれます。
この描写が示すのは、氷河が“才能任せ”のチームではなく、思考と検証を積み重ねる集団だという事実。相手の強みを尊重しつつ、対策で上回るという姿勢が、試合の説得力を一段引き上げています。


④ 桐島の覚醒と豪速球【エースの進化を読む】

23巻で際立つのは、桐島の覚醒です。豪速球は単なるスピード表現に留まらず、精神的な覚悟と責任の表象として描かれます。これまでの桐島は突出した能力を持ちながらも、どこか“個”の選手でした。
しかし決勝では、チーム全体を背負うエースとしての自覚が投球に反映され、球速・精度・存在感のすべてが一段階上がる。作者は球そのものより、投げる理由と覚悟を描くことで、桐島の進化を鮮烈に印象づけます。


⑤ 小手指バッテリーの限界と試練

要のリードと瀧の投球は、これまで“完成形”に近い安定感を誇ってきました。だからこそ、23巻でそれが攻略される展開は重く響きます。癖のなさ=安全という前提が覆され、相手が“そこまで準備してくる”現実に直面するのです。
これは敗北の描写ではなく、成長前夜の試練。要の思考、瀧の投球、その両方が次の段階へ進むために必要な壁として機能しています。23巻は小手指にとっての限界提示であり、同時に反撃の余地を明確にする巻でもあります。

⑥ 決勝戦ならではの緊張感と心理戦

23巻の決勝戦は、派手なアクションよりも張り詰めた間(ま)と心理の揺れで読ませる構成です。1球ごとに流れが傾き、ベンチの判断や捕手のサイン、打者の読みが細かく積み上がっていく。作者は得点シーンを誇張せず、「失点に至るまでの過程」を丹念に描くことで、決勝特有の重圧を可視化します。
観客の空気、相手校の視線、次の一手を待つ沈黙――そのすべてが、試合を“心理戦”として成立させています。


⑦ デジタル版限定・カラーページ完全収録の価値

Kindle版では、「少年ジャンプ+」掲載時のカラーページを完全収録。球場の空気感やユニフォームのコントラスト、決定的瞬間の強調が、色彩によって一段階引き上げられた臨場感として伝わります。
特に決勝という舞台では、色の情報が心理描写を補完し、読みの没入度を高める効果が大きい。紙版既読でも、電子版で再体験する価値がはっきりある仕様です。


⑧ 23巻の見どころ・名シーン整理

本巻の見どころは、(1)要のリードが通用しなくなる瞬間、(2)氷河打線が“準備の差”を示す局面、(3)桐島の覚悟が球に乗る一連の描写。
いずれも派手な演出ではなく、理解した瞬間に背筋が冷えるタイプの名場面です。読後に印象が残るのは、点数ではなく“状況が変わった感触”。この静かな転換が、23巻の評価を押し上げています。


⑨ 伏線の回収と新たな問い

これまで積み重ねられてきた「対策されにくさ」「完成度の高さ」という小手指の強みが、徹底準備の前では相対化される――その必然が回収されます。一方で、新たに提示されるのは「次の一手は何か」という問い。
要はどう読むのか、瀧はどう変わるのか。回収と提示を同時に行う構成が、物語を次巻へ強く押し出します。


⑩ 23巻は“溜め”か“転換点”か?

結論として23巻は、単なる溜めではなく明確な転換点です。勝敗の行方よりも、両校の思想と準備の差を提示し、物語の位相を一段引き上げる役割を担っています。
派手さを抑えた分、読み返すほど評価が上がるタイプの巻。決勝戦の本質を描いた一冊として、シリーズ全体の重心を支える重要巻といえるでしょう。

⑪ 24巻以降の展開予想【どう逆転するのか】

23巻で提示されたのは、「完成度が高いだけでは勝てない」という現実です。次巻以降の鍵は、要の読みの再構築瀧の投球の再定義にあります。単に配球を変えるのではなく、相手の“準備そのもの”を揺さぶる選択が必要になるでしょう。
具体的には、テンポの操作、初見性の創出、カウント別の大胆な捨て球など、心理面に踏み込む戦術が浮上する可能性が高い。桐島の豪速球に対抗するには、力ではなく構造で上回る展開が求められます。


⑫ 23巻はどんな読者に刺さるか

本巻が刺さるのは、戦略・心理戦を重視する読者です。点の取り合いよりも、準備と読みのせめぎ合いを楽しむ層には強い満足感があります。
一方、派手な逆転劇を即座に求める読者には“重い”と感じられるかもしれません。しかし、その重さこそが決勝戦のリアリティであり、スポーツ漫画の詰め将棋的快感を味わえる巻でもあります。


⑬ 口コミ・感想の傾向【想定レビュー分析】

感想の傾向は、「苦しい」「息が詰まる」「でも目が離せない」。桐島の評価が一段階上がる一方で、小手指が追い込まれる展開に胸を締め付けられる読者も多い。
同時に、「次巻が待てない」「準備の描写が説得力ある」といった声が目立ち、緊張感の持続が高評価につながっています。賛否は分かれにくく、静の名巻として支持が集まるタイプです。


⑭ 総合評価・まとめ【決勝戦の緊迫感を極限まで高めた1巻】

23巻は、勝敗よりも構造の差と覚悟を描いた決勝編の要石です。氷河の準備、小手指の限界提示、桐島の覚醒――いずれも派手さを抑えた演出で、読後に深い余韻を残します。
電子版のカラーページ完全収録が没入感を高め、再読価値も高い。シリーズの評価軸を一段引き上げる転換点として、静かに、しかし確実に記憶に残る一冊です。

(ジャンプコミックスDIGITAL)
タイトルとURLをコピーしました