天然樹脂ハンドブック 植物のめぐみ|国内初・79種掲載の天然樹脂図鑑

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天然樹脂研究の基礎資料として手元に置きたい決定版ハンドブック

天然樹脂ハンドブック

天然樹脂ハンドブック 植物のめぐみは、合成樹脂ではなく、植物を中心とした天然由来の樹脂に特化した国内初の本格図鑑です。著者である植物研究家・山下智道が国内外で入手した79種類の天然樹脂を、形態や色、香りといった物質的特徴から、利用法、採取される植物の情報まで丁寧に解説。さらに、古代エジプトから現代に至る樹脂利用の歴史、動物性樹脂、世界各地の樹脂文化など、読み物としても充実しています。研究資料としての信頼性と、自然素材を楽しむための親しみやすさを兼ね備えた、これまでにない一冊です。


 1. 本書の概要|国内初「天然樹脂図鑑」とは何か

天然樹脂ハンドブック 植物のめぐみは、プラスチックなどの合成樹脂ではなく、植物を中心とした天然由来の樹脂のみに焦点を当てた、国内初の本格的な樹脂図鑑です。
これまで植物図鑑や香料本の中で断片的に扱われることはあっても、樹脂そのものを主役に据えた書籍はほとんど存在しませんでした。

本書では、国内外で入手された79種類の天然樹脂を掲載し、樹脂そのものの形状・色・質感・香りといった物理的特徴に加え、採取される植物の情報や、用途・歴史的背景までを丁寧に解説しています。
単なる標本写真集ではなく、「見る・知る・使う・考える」を一冊で完結できる点が大きな特徴です。

樹脂という、植物の中でも特に知られざる存在に光を当てることで、自然素材の奥深さと、人類との長い関わりを再認識させてくれる、今までにない切り口の図鑑となっています。


 2. 著者・山下智道とは|植物研究家の視点と信頼性

本書の著者は、植物研究家の山下智道。
国内外で植物素材を実際に収集・研究してきた経験をもとに、本書に掲載されている79種の天然樹脂も、机上のデータではなく、実物に基づいて紹介されています。

山下氏の特徴は、学術的な正確さと、生活者視点のわかりやすさを両立している点です。
樹脂の成分や分類を専門的に解説しながらも、
「どんな香りがするのか」
「どんな場面で使われてきたのか」
「現代の生活でどう楽しめるのか」
といった、読者の興味に寄り添った説明が随所に盛り込まれています。

そのため本書は、研究資料としても、趣味の読み物としても成立しており、専門家から一般読者まで信頼して手に取れる内容になっています。


 3. 掲載79種類の天然樹脂一覧と分類の考え方

本書に掲載されている天然樹脂は、アカマツやスギなどの身近な樹木から、フランキンセンス、ミルラ、ベンゾインといった海外産の樹脂まで、地域・樹種・用途の異なる79種類に及びます。

特徴的なのは、単なる五十音順や産地別ではなく、

  • 樹脂の性質

  • 採取される植物のタイプ

  • 利用目的

といった観点を踏まえて、理解しやすい形で整理されている点です。

これにより、読者は
「香りを楽しむ樹脂」
「工芸や実用品に使われる樹脂」
「食用・医療・宗教と関わる樹脂」
といった形で、樹脂の世界を体系的に捉えることができます。

79種類という数字は、単なる網羅性を示すだけでなく、
天然樹脂がいかに多様で、文化や生活と深く結びついてきた素材かを実感させてくれるボリュームでもあります。


 4. 天然樹脂とは何か|樹脂の定義と基礎知識

天然樹脂とは、主に植物が外傷や環境ストレスから自らを守るために分泌する物質の総称です。樹皮の傷口からにじみ出て固まることが多く、抗菌・防虫・防腐といった役割を担っています。
一般に混同されがちな「樹液」や「精油」とは異なり、樹脂は揮発しにくく、時間とともに硬化・酸化する性質を持ちます。

本書では、こうした基礎的な定義を押さえつつ、

  • どの部位から分泌されるのか

  • どのような条件で樹脂化するのか

  • 樹種による性質の違い

といった点を整理し、初心者でも理解できる導入が丁寧に用意されています。
専門的な用語に偏りすぎず、「なぜ樹脂が生まれるのか」という視点から解説している点が、読み進めやすさにつながっています。


 5. 樹脂そのものを観察する図鑑としての魅力

本書の大きな特徴は、樹脂そのものを主役として観察できる図鑑である点です。
多くの植物図鑑では、樹脂は副次的な説明にとどまりますが、本書では形状・色合い・透明度・割れ方など、物質としての樹脂の個性が丁寧に紹介されています。

樹脂は同じ樹種であっても、

  • 採取時期

  • 乾燥の進み方

  • 不純物の混ざり方

によって表情が大きく異なります。
こうした違いを比較しながら眺められる構成は、標本観察に近い体験を読者にもたらします。

結果として本書は、
「読む図鑑」であると同時に、
“観察する図鑑”としての価値も高く、自然素材に関心のある読者の知的好奇心を強く刺激します。


 6. 香りを楽しむ天然樹脂|フランキンセンス・ミルラ・ベンゾイン

天然樹脂の代表的な楽しみ方のひとつが、香りを味わう用途です。
本書では、フランキンセンスやミルラ、ベンゾインといった、古代から宗教・儀式・医療・芳香に使われてきた樹脂についても詳しく解説されています。

それぞれの樹脂について、

  • 香りの系統(甘さ・スパイシーさ・清涼感など)

  • 焚いたときの印象

  • 歴史的・文化的背景

が整理されており、単なる香料紹介にとどまりません。

また、現代の生活に取り入れる視点として、

  • リラックス用途

  • 空間演出

  • 香り文化への入口

といった実践的なヒントも示されています。
香りをきっかけに樹脂の世界へ入る読者にとって、非常に親しみやすく奥行きのある章となっています。


 7. 生活に生きる天然樹脂の利用法|香り・健康・食文化まで

天然樹脂は、観賞や研究対象にとどまらず、私たちの日常生活のさまざまな場面で利用されてきた素材です。本書では、そうした実用面にも丁寧に光が当てられています。

代表的なのが、芳香を楽しむ用途です。樹脂を焚いて香りを楽しむ文化は世界各地に存在し、リラックスや精神集中、空間浄化など、心身に働きかける目的で使われてきました。また、一部の樹脂は美容や健康を意識した民間利用とも結びついています。

さらに興味深いのは、食文化との関わりです。ガムやのど飴、ワインの香りづけなど、私たちが普段口にするものにも天然樹脂は使われており、知らず知らずのうちに生活を支えています。本書は、こうした身近さを通して、樹脂を「遠い存在」から「生活素材」へと引き寄せてくれます。


 8. 芸術と工芸に使われる樹脂|実用と美を支える素材

天然樹脂は、芸術や工芸の分野においても欠かせない存在です。本書では、金継ぎや漆芸といった日本の伝統技法をはじめ、世界各地で発展してきた樹脂利用の文化が紹介されています。

特に注目すべきは、樹脂が「単なる接着剤」ではなく、機能性と美しさを同時に成立させる素材として扱われてきた点です。器を修復しながら価値を高める金継ぎは、その象徴的な例といえるでしょう。

また、弦楽器の演奏に欠かせない松脂のように、芸術表現を陰で支える存在としての樹脂も取り上げられています。こうした事例を通じて、本書は、樹脂が創作活動と深く結びついた素材であることを明確に伝えています。


 9. スポーツ・日用品を支える縁の下の樹脂たち

天然樹脂の活躍の場は、香りや芸術の世界だけではありません。
本書では、スポーツや日用品といった意外な分野での樹脂利用にも触れられています。

たとえば、野球やバレエで使われる滑り止め、弦楽器演奏時のグリップ調整など、樹脂は「滑らない」「止まる」という特性を生かして活用されています。これらは目立たない存在ですが、競技や表現の質を左右する重要な役割を担っています。

このような事例を知ることで、読者は「樹脂=特別なもの」という固定観念から解放され、
日常の中に溶け込んだ自然素材として天然樹脂を捉え直すことができます。本書は、その気づきを与えてくれる一冊でもあります。


 10. 人類と樹脂の歴史|古代エジプトから現代まで

天然樹脂と人類の関係は非常に古く、文明の成立とともに利用が始まった素材のひとつです。
古代エジプトでは、ミイラ作りの防腐処理や宗教儀式に樹脂が用いられ、香りと保存性の両面で重要な役割を果たしてきました。

その後も樹脂は、

  • 宗教儀式の薫香

  • 医療・民間療法

  • 交易品・貴重品

として世界各地で扱われてきました。
香りを通じて精神性と結びつき、同時に実用性を備えていた点が、長く使われ続けた理由といえます。

本書では、こうした歴史を単なる年表ではなく、人々の生活や価値観と結びつけて解説しており、樹脂が文化そのものを形づくってきた素材であることが理解できます。


 11. 動物性樹脂とは何か|アンバーグリスなど特殊な存在

本書では主に植物性樹脂を扱っていますが、補足的に動物性の樹脂的物質についても触れられています。
その代表例が、香料として知られるアンバーグリスです。

アンバーグリスは植物由来ではないものの、

  • 香り文化

  • 高級香料

  • 歴史的価値

といった点で、植物性樹脂と共通する文脈を持っています。

このような例を取り上げることで、本書は
「樹脂とは何か」「人はなぜ香りや粘性物質に価値を見出してきたのか」
という、より広い視点を読者に提示しています。


 12. 世界各地の天然樹脂事情と地域性

天然樹脂は、地域ごとの気候・植生・文化によって、その種類や用途が大きく異なります。
本書では、中東、アフリカ、ヨーロッパ、アジアなど、世界各地の樹脂事情にも触れられています。

たとえば、

  • 乾燥地帯で発展した薫香文化

  • 熱帯地域のバルサム・ゴム系樹脂

  • 温帯林で採取される松脂類

など、自然環境と樹脂文化の関係が具体的に示されています。

これにより、樹脂は単なる物質ではなく、
土地・人・暮らしを結びつける文化的存在であることが明確になります。


 13. 掲載樹脂の植物情報|どんな木・植物から採れるのか

本書では、樹脂そのものだけでなく、樹脂を生み出す植物側の情報も丁寧に整理されています。
どの樹種から、どの部位で、どのように樹脂が採取されるのかがわかる構成です。

これにより、

  • 樹脂=偶然の産物ではない

  • 植物の生理現象としての必然性

が理解でき、植物学的な視点も自然に身につきます。

植物図鑑と樹脂図鑑の橋渡しをする章として、
学習資料としての価値が非常に高いパートです。


 14. 他の植物図鑑・香り本との違いと比較

本書が他の植物図鑑や香り関連書籍と決定的に異なる点は、
「樹脂そのもの」を主役に据えていることです。

多くの書籍では、

  • 精油

が中心に語られ、樹脂は補足的な扱いにとどまります。
それに対し本書は、形態・香り・用途・歴史を一体として解説しており、
樹脂という素材を立体的に理解できる構成になっています。

そのため、既存の植物本を持っている読者にとっても、
内容が重複しにくく、知識を深掘りできる一冊です。


 15. 総合評価|「自然からの贈り物」を再発見する一冊

『天然樹脂ハンドブック 植物のめぐみ』は、
これまで注目されることの少なかった天然樹脂を通して、
自然・文化・生活のつながりを再発見させてくれる図鑑です。

79種類という圧倒的な実例数に加え、
形態観察・香り・用途・歴史・読み物まで網羅した構成は、
専門性と読みやすさを高いレベルで両立しています。

研究資料としても、趣味の深掘りとしても、
そして自然素材への入口としても、
長く手元に置いて価値を発揮する一冊といえるでしょう。

 

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